介護事務管理士とケアクラーク、介護事務の仕事をする上で取得しておいた方が良いとされている資格として有名です。
受験資格はありませんし、どちらもテキストの持ち込みが可能ということもあり、難易度もそれほど高くないので実務未経験者でも容易に取得できるのが大きな魅力でもあります。
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ただ、どちらも似たような資格なので、「自分はどちらの資格を取得すればいいんだだろう・・・」と思われる方も多いはず!
ここでは介護事務管理士とケアクラークの違い、どちらを目指せばいいのかなど解説していきます。
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目次
介護事務管理士とケアクラークの比較
– | 介護事務管理士 | ケアクラーク |
---|---|---|
資格内容 | 介護報酬請求の知識に特化 | 介護に関する幅広い知識 |
資格種別 | 民間資格 | 民間資格 |
受験資格 | なし | なし |
筆記試験 | 択一式(10問) | 択一式(25問) |
実技試験 | レセプト点検(1問) レセプト作成(2問) | 居宅サービス介護給付費明細書の作成(1問) 施設サービス等介護給付費明細書の作成(1問) |
合格基準 | 【筆記】 100点中で70点以上 【実技】 各問題50%以上+合計で70%以上 | 各科目の得点率が70%以上 |
受験料 | 6,500円 | 6,700円 |
受験日 | 奇数月(年6回) | 偶数月(年6回) |
受験者数 | 年間8,000人ほど | 年間6,000人ほど |
合格率 | 50~70% | 60~70% |
通信講座 | ユーキャン、ソラスト | ニチイ |
実施団体 | JSMA技能認定振興協会 | 日本医療教育財団 |
仕事内容の違い
介護事務管理士は、介護サービス提供事業所にて、介護報酬の請求業務や、利用者のケアプランを作成するケアマネジャーの業務をサポートするなどです。
業務内容から考えても、ある程度の専門的知識とスキルが求められますが、基本的に事務仕事になるので体力に自信のない方にお勧めです。
ケアクラークも介護事務の仕事がメインにはなりますが、介護現場で必要な介護技術の基礎知識も習得できるので、現場で働きたい方にもお勧めです。
資格内容の違い
介護事務管理士は、サービス事業所の受付・レセプト業務などを担当する事務員のスキルを証明する資格である反面、ケアクラークは、社会福祉や老人の心理、リハビリテーションや医学など、介護に関する幅広い知識が問われる資格です。
就業場所の違い
どちらの資格を取得しても、介護サービスを提供する事業所(特別老人ホームやヘルパーステーション、訪問介護ステーション)で働くのが一般的です。
受験者の違い
どちらも介護事務未経験者の受験者が多いです。
介護事務管理士は20代~40代、ケアクラークは学生が団体受験で受験するケースも多いので、10代~30代と比較的若い受験者が多いです。
勉強法の違い
どちらもポイントになるのが実技試験対策です。
テキストの持ち込みが可能なので、いかに早くレセプトを解けるのが合格のカギを握っています。とにかく問題数をこなして慣れていくことが重要です。
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難易度の違い
ケアクラークの方が介護に関する幅広い知識が問われるので難しいと思われるかもしれませんが、難易度の違いはほとんどありません。
むしろ合格率だけを見ると、介護事務管理士の方が低いです。
介護事務管理士とケアクラークどちらを目指すべき?
ここでは、介護事務の実務経験者23人に「介護事務管理士」と「ケアクラーク」どちらを目指せばいいのか聞いてきました。
- 介護事務管理士:14人
- ケアクラーク:9人
介護事務管理士を推している方が若干多いですが、それほど大差はありませんでした。
それでは理由を答えてくれた方の意見をみていきましょう。
介護事務管理士をお勧め派
どちらも、通信教育で学べる民間資格なので大差ありませんが、どちらかというと「介護事務管理士」をおススメします。
ケアクラークは、「介護事務職として求められる知識と技能を備えていることを証明する」ことに対して、介護事務管理士は、「介護に要する費用の請求をしたり、ケアプランを立てる居宅介護支援事業所のケアマネジャーの業務をサポートしたりする」資格です。
介護事務管理士の方が、ケアプランという上位の仕事について、関われるのでおススメです。
上沼 32歳女性(介護事務歴3年)
どちらも介護に関する知識は身に付きますが、より専門的な深堀ができる点では、介護事務管理士に軍配が上がると思うからです。
専門的に特化された知識であれば、趣味の範囲ではなく、実務で重宝される場面が多数出てくる可能性があるので、転職を考えることになって、即戦力としてのアピール材料にもなり、介護業界への転職成功率が高くなりそうだからです。
かんちゃん 43歳女性(介護事務歴11年)
今現在、介護のお仕事に関わっていないとしても、将来自分の家族や自分自身が介護サービスのお世話になる可能性はあります。その時のために介護報酬に関する知識を持っておいた方が何かと役に立つのではないでしょうか。
ヘルパーさんのお仕事は素晴らしいと思いますが、体力的に無理がある方でも介護事務のお仕事なら介護に関わることができます。就職にも有利になるので持っていたらいい資格です。
竹山 33歳男性(介護事務歴9年)
介護関連の事務作業に特化しているので介護事務管理士をお勧めします。介護報酬請求業務はかなり複雑なのでこの資格は就職や転職にもかなり有利だと思います。
ケアクラークは社会福祉全般や医療などの介護報酬請求業務に関係のない分野の実用的でない勉強も含まれるので無駄が多いです。比べると介護事務管理士のほうが役に立つことが多いと思います。
じょじょ 37歳男性(介護事務歴6年)
介護事務管理をおすすめとしましたが、現状ではケアクラークとの差はありませんね。介護事務の資格につきましては、国家資格ではないということと、民間団体によって学ぶ内容や試験なども多少異なります。しかし、習得できる技能に大きな違いはほぼ無いです。ご自身で学びたい、必要だと思う内容などをチェックし、比較検討してみてはいかがでしょうか。
メインの仕事は、「介護報酬請求業務(レセプト作成)」になります。介護保険制度は3年毎に法律が改正されるため、常に新しい情報を理解し事務を行う必要があります。
介護事業をおこなう施設や事業所が主な職場です。介護関連業務は、今後ともニーズが高まる分野です。この資格だけで就職・転職が保証される資格ではありませんが、介護業界で働くことを考えるのであれば、将来にわたって有利に働く資格です。
幸子 49歳女性(介護事務歴13年)
ケアクラークだと事務より用度や雑用の意味合いが多い気がする。管理事務の職種なら介護事務管理士のが適切だと思います。ケアクラークのが仕事内容は軽い(責任)感じがします。
事務員は結局はいろんな雑用一般なのですが、介護業界などの場合は介護職=雑務が多いと思われがちですし事務員は介護事務管理士とした方が事務に特科した職種と受け入れできるから。
智光 27歳男性(介護事務歴3年)
ケアクラークをお勧め派
今は介護の資格が大きな影響力を持っているから。特にケアクラークは様々な分野に知識を活かせるので良いと思う。例えばこのケアクラークは色々な分野の知識がないと資格取得できない。
つまりケアクラークの資格があれば介護の他に強い専門知識があるということ。そういう部分も含めて将来を意識するとケアクラークがオススメです。
タイム 36歳女性(介護事務歴2年)
私がケアクラークの資格取得をお勧めする理由は、就職に有利だからです。介護事務の仕事は資格が無くともできますが、資格があると介護福祉の知識も兼ね揃えている証明となるため、この資格は特に就職の内定をもらう際には、介護事務よりも有効だと思います。
また、資格試験の際にも参考書の持ち込みができます。基本的な知識は押さえた上での受験で合格が見込める試験だと思います。(管理人追記:介護事務管理士もテキストの持ち込み可能です)
足つぼ 38歳女性(介護事務歴1年)
どちらも仕事内容は介護報酬請求業務を中心とする事務処理ですが、介護事務管理士は介護に関する書類作成事務の専門家です。
一方のケアクラークもデスクワークの仕事ですが、窓口対応で利用者などと接する業務もあるため、コミュニケーション能力・お年寄りや障害者についての知識、場合によっては基礎的な医学の知識も必要になります。
介護事務管理士よりは業務内容が広くなります。その分、問題も生じるでしょうが、やりがいもあると思います。これから介護の分野で活躍しようとする人には、人と触れあえる機会が多いケアクラークの方が魅力的だと思います。
典子 44歳女性(介護事務歴6年)
ニチイで取得するケアクラークはおすすめです。まず、ケアクラークの資格を取得する層には介護福祉士や社会福祉士がいます。あくまでもケアクラークはおまけ的な位置づけですが、何よりは圧倒的に取得しておいた方が良い資格です。
人に自慢できるほどの資格ではありませんが、レセプトの的確な計算や医療事務の補助的な作業は瞬時にできるようになります。取得費用も10万円以下と取っ掛かりのしやすい資格になります。
散歩好き 26歳女性(介護事務歴4年)
結局どちらを目指せばいいのか
- 介護事務の仕事だけをしたいなら「介護事務管理士」
- 介護事務だけではなく接客など介護業務全般の仕事に興味があるなら「ケアクラーク」
- 将来的に介護系の国家資格を目指すなら「ケアクラーク」
- 将来的にケアマネジャーを目指すなら「介護事務管理士」
- 介護事務の就・転職に有利なのは「介護事務管理士」
あくまで参考程度の捉えて欲しいですが、未経験からとりあえず就職して介護事務に関する仕事に就きたいなら「介護事務管理士」の方が目指す価値はあります。
ケアマネジャーの下位資格になるのでケアマネジャーを目指す方にも向いている資格です。
一方、「ケアクラーク」は介護に関する幅広い知識を勉強するので、介護資格の最高峰である社会福祉士や現場で働く介護福祉士などの国家資格を目指す方は、ステップアップ資格として最適です。
一般的には介護事務管理士の方が専門職になるので就職や転職で有利になりやすいですが、これは事業所が求めている求人によって考え方が異なるので、正直なところ何とも言えません。
試験はどちらも2ヵ月ごとに実施しているので、どうしても迷われるのでしたら両方取得するのも選択肢として入れてみてはいかがでしょう。